コラム

2021.03.24

MICEとは?意味やメリット、施設等を事例付きでわかりやすく解説


COVID-19の感染拡大により、2020年以降に開催された会議・イベントの形態はデジタルシフトしています。バーチャルイベント、オンライン会議などは、これまでにない形態の開催方法を生み出し、2021年は更なる進化・発展を遂げることが予想されます。しかし、これらの中に含まれる、ビジネスイベントの総称であるMICEは、具体的に何を指しており、どのような目的で開催するのか、曖昧だったり疑問に思ったりする方が多いのではないでしょうか。

この記事では、半世紀以上にわたりMICEに携わってきたJCS(日本コンベンションサービス)が、MICEの定義や具体的な事例を解説するとともに、MICEを開催することによってどのような「経済効果」や「ビジネスチャンス」が生まれるのか、わかりやすく解説します。

MICEとは?

MICEとは、Meeting(企業会議・研修)、Incentive Travel(報奨・研修旅行)、Convention(政府主催会議・学術会議・業界会議)、ExhibitionまたはEvent(展示会・見本市・イベント)の頭4文字から成る造語で、産官学の各組織が、ビジネスや政治、学問的なテーマのもとに開催する、ビジネスイベントの総称です。

MICEは、企業活動や研究・学会活動等と関連している場合が多いため、開催地域への集客がもたらす経済効果や観光振興の側面だけでなく、ビジネスチャンスやイノベーションの創出を促したり、都市の知名度やブランドイメージを上げたりするなど、様々な波及効果が期待できます。そのため世界の国や地域が、積極的にMICEの誘致・開催に取り組んでいます。

  • Meeting:主に企業が、目的に応じて関係者を集めて行う会議、研修、セミナー。

    Incentive Travel:企業が、従業員や代理店などの関係者に対して、成績優秀者の表彰や研修、顧客の招待などを目的に行う報奨旅行や研修旅行。

    Convention:政府、国際機関、自治体、学術団体、産業団体、企業などが開催する、大規模な国際会議。

    Exhibition/Event:政府、国際機関、自治体、学術団体、業界団体、企業などが開催する、大小さまざまな展示会、見本市、博覧会、イベント。

MICEの具体例

MICE市場には、具体的にどのような事例があるのか、M・I・C・Eそれぞれを解説します。

Meeting(ミーティング)

主に企業が行う様々な形態のミーティングを指し、セミナーや研修、役員会議、内定式、入社式、周年行事などが該当します。具体的な例としては、海外投資家向け金融セミナーや、グループ企業の役員会議、外資系企業のキックオフミーティングなど、企業主催の会議などが挙げられます。

Incentive Travel(インセンティブ トラベル)

企業が従業員や代理店など、関係者の為の表彰や研修などを目的に実施する、報奨・研修旅行を指します。日本では、成績優秀な社員の功労をたたえる際、「体験企画」や「コト消費」を好む傾向が強く、体験の共有によって自社への愛着心や、業務へのモチベーションアップ等を狙う目的があります。

海外では、報酬として旅行を贈る取り組みが浸透しており、旅程の中には会議や会合、工場見学などが組み込まれることもあります。私たちJCSが手がけた事例では、FIFAワールドカップ「ホスピタリティ・プログラム」を活用した報奨旅行などがあります。

Convention(コンベンション)

政府、国際機関、自治体、学術団体、産業団体、企業などが開催する、大規模な国際会議です。首脳会談やサミット等は「政府系の国際会議」に該当し、具体的には京都コングレスやG20、APECなどの関連会合が挙げられます。

また医学や歯学、薬学、工学、教育など、各分野の学会・研究機関に属するメンバーが定期的に集まり、人的交流や研究発表を行う学術大会・集会・総会や、産業団体が主体となって各国の業界動向を把握し、今後の技術革新や業界の発展を目的とするものもあり、世界中から3,000名以上が参加する大規模な国際会議となることもあります。

Exhibition / Event(エキシビション / イベント)

政府、国際機関、自治体、学術団体、産業団体、企業などが開催する、展示会、見本市、博覧会やスポーツ・文化のイベントです。展示会、見本市は毎年定期的に同じ場所(展示施設)で行われることが多く、コンベンションやカンファレンスに付随する形で開催される展示会もあります。

MICEの開催場所

国・地域

国・地域の選定は、MICEを成功に導くための重要な要素となります。開催内容に関連した歴史や名所があるか、参加者が来場しやすいか、必要な設備・条件が備わっている会場があるかなどが、主な判断材料になります。開催地域への経済波及効果は大きく、MICE参加者1人当たりの「消費支出」は、一般の観光旅行者よりも多いと算出されています。よって、開催条件を整えてMICEの誘致活動に力を入れている国や都市が増えています。

会場

MICEの開催内容・目的に応じて、会場(ベニュー)の選択肢が異なります。

主に企業が主催するミーティングは、少人数を収容できるスペースや長時間滞在できる環境が必要なため、飲食等のサービスが充実しているホテルなどが会場の条件に合致します。主催者が非日常的な空間を求める場合は、リゾート地で開催することもあります。
コンベンションは、各地域にあるコンベンションセンターや大学、ホテルなどが適しています。エキシビション/イベントは、展示の用途に適した会場(国際会議場、国際展示場など)が推奨されます。

バーチャル

新型コロナウイルスの影響を受け、MICEの開催形式は、業界・ジャンルを問わず大きく変化しました。リアルイベント(現地開催)を実施する場合、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室が全国の知事に発出した「イベント等における感染拡大防止ガイドライン」を始めとして、自治体や施設等が定めるガイドラインに沿って開催する必要があります。感染症予防対策のための会場レイアウト設計、アクリル板や消毒液設置等の準備、来場者の体温測定、登壇者のマイクの消毒といった当日対応、場合によっては会期終了後の参加者の経過観察など、これまでに無かった手間や時間、労力がかかることから、実在する施設や会場を使用せずにMICEを開催できるオンラインイベント、またはリアルとオンラインを融合させたハイブリッドイベントのニーズが非常に高まっています。

MICEを開催する目的やメリット

MICEの大きな特徴は、国内外の企業や学会から多くの関係者がそれぞれの目的に沿って参加し、一堂に会することです。MICEを開催・誘致することにより、次のような効果が期待できます。

新しいビジネスやイノベーションを創出

MICEの開催により、ビジネスや学問的な知見の集積、人的ネットワークの構築が行われることで、主催者だけでなく、開催国にとっても新しいビジネスやイノベーションを生み出す機会を作ることができます。さらに、報道機関によるメディアへの露出が期待できるので、開催国・地域にとっては認知拡大の効果が期待できます。

国・地域への経済効果

MICEを開催すると、国内外から多くの参加者が会場・地域に集まるので、主催する団体や企業のみならず、直接的、間接的に関連企業や団体、そして開催地域に大きな経済効果を生み出します。たとえば会場近辺の交通機関、宿泊施設、レストラン、イベント開催に必要な商品の購入やレンタル(飲食、機材、備品等)などの需要が発生します。

2019年ラグビーワールドカップでは、観戦目的で訪日した外国人は一般の訪日客に比べ滞在日数が長い上、滞在中、試合と試合の合間の日程で旅行をするので、交通、宿泊、飲食など、様々な業種に大きな経済波及効果を生んでいます。

国・都市の競争力向上

MICE開催による成功実績ができると、国や都市では、イベント誘致への期待が高まり、誘致のために様々な施策を打ち出します。それにより競争力が高まり、結果として地元ビジネスの発展へとつながっていきます。

その成功例として有名なのがアメリカ、ラスベガス市です。ラスベガスと聞くとカジノやギャンブルをイメージされる方が多いかもしれませんが、ラスベガスは大型コンベンションや、毎年恒例となっている専門見本市が開催されるなど、世界的に有名な都市となるまでに成長し、地元の経済発展に貢献しています。

MICEにおける日本の現状とポテンシャル

イベントを主催している企業・団体のみならず、イベントを開催している地域にも経済効果を与えるMICEビジネスですが、日本国内では、どのように活用されているのでしょうか。

観光庁のMICEへの取り組み

観光庁は2013年6月、日本のMICE誘致競争力を高めるために、国際的な誘致競争を牽引する都市の育成を目的として、7都市を「グローバルMICE戦略・強化都市」に選定しました。2年後の2015年6月にはさらに5都市を「グローバルMICE強化都市」に選定し、国として支援を行うとともに、各地域の関係者との連携を強化してMICE誘致に力を入れ始めました。

2017年には「グローバルMICE都市・都市力強化対策本部」が設置されました。2018年12月時点では、次の12都市を「グローバルMICE都市」とし、これらの都市を対象にMICE誘致に係る知見や取り組み等の意見を共有するほか、各都市との連携強化・MICE誘致競争力強化を図ることを目指して活動しています。

  • 「グローバルMICE都市」 ※2018年12月時点

    • 札幌市
    • 仙台市
    • 東京都
    • 千葉県 千葉市
    • 横浜市
    • 名古屋市 愛知県
    • 大阪府 大阪市
    • 神戸市
    • 京都市
    • 広島市
    • 福岡市
    • 北九州市

日本のMICE開催状況と経済成長

ICCA(International Congress and Convention Association/国際会議協会)によると、国際会議の開催件数は、世界的に年々増加傾向にあります。

2018年の世界全体における国際会議開催件数は12,937件です。国別に見ると米国をトップに、多くの国際機関や学会の本部を抱えるヨーロッパ諸国が上位にきており、日本は492件で7位となっています。都市別に見ると東京が123件で13位にランクしていますが、1位のパリとは90件近くもの差があります。

観光庁が2018年に発表した統計によると、国際MICEによる総消費額は約5,384億円、経済波及効果は約1兆590億円と推計されています。これに伴う経済活動で生じた雇用創出効果は、国全体で約96,000人分、税収効果は約820億円と推計されました。

ユニークベニューに見るMICEの可能性

ユニークベニューは、会議やイベントを開催する会場としての歴史的建造物や文化施設を指し、そこで開催することで、特別感や歴史的・地域的な特性を演出することができるため、MICEを演出する独自性の高い戦略として、近年注目されています。
2012年に開催されたロンドンオリンピックでは、各スポンサー企業のホスト会場として「Unique Venues of London(UVL)」に登録されたセント・ポール大聖堂やケンジントン宮殿などが会場に選ばれ、参加者を楽しませました。

ユニークベニューは、MICEにおけるパーティー会場として使われることが多く、世界文化遺産である京都の元離宮二条城はその先駆けです。尚、二条城をユニークベニューとして利用するには「世界遺産・二条城MICEプラン」事業のコーディネーターへ依頼する必要があります。JCSは同事業のコーディネーターに選定されておりますので、唯一無二・特別感のある空間での開催を検討されている主催者に効果的なプランニングを提案することができます。

また、東京都は2018年4月、ユニークベニューの活用推進を目的に「ユニークベニューワンストップ窓口」を設置しました。JCSでは当該窓口の運営を受託し、主催者と施設のマッチングを総合的に行っています。

JCSが手掛けるMICE施設・サービス事例

JCSは、国際会議や学術集会、博覧会など、コンベンションにおける豊富な経験・実績を活かし、MICE施設の開発・企画・運営を手がけています。地域の観光情報を発信したり、街の回遊性を高めたり、さらには地域のプロモーション実施やイベント誘致を行うなど、幅広いソリューションを展開しています。
また、「MICE都市研究所」では、MICEに関わる調査・研究、教育・研修事業などのサービスを提供するため、様々な課題に対応することができます。

MICE施設

イベントを成功に導くためには、テーマに最適な会場や施設を選ぶことが不可欠です。JCSは2001年よりMICE施設や図書館運営・自治体からの業務委託などに対応するMICE・まちづくりの事業を開始し、2019年には公共施設の運営件数が30件を超え、指定管理者として関わる施設の事業件数は100件以上になりました。
この実績を活かし、地域への経済効果が高いMICE誘致や、地元経済を発展させる観光振興に寄与する仕組みづくりなど、専門性の高いサポートを行っています。

施設紹介と事例

  • 新千歳空港 ポルトムホール

    2019年11月に北海道新千歳空港にある国際線旅客ターミナルビルにオープンしたポルトムホール。330席収容の移動観覧席を備えたメインホールをはじめ、中・小規模の会議室としても使えるセミナールームにて、海外からのお客様を迎える会議、記者発表、研修旅行の表彰式、展示会、パーティーまで様々なイベントを開催することができます。
    【関連記事】北海道「新千歳空港 ポルトムホール」がオープン

     

    室町三井ホール&カンファレンス

    JCSは2019年9月に東京都中央区日本橋(東京駅近辺)に開業した同施設の、MICE誘致営業業務を受託しました。ビジネスからエンターテインメントまで対応できるホール、連動性に優れ広々としたホワイエ、そして多彩に使えるカンファレンスが開催可能な空間です。
    【関連記事】日本橋「室町三井ホール&カンファレンス」の誘致営業を開始

     

    紀尾井カンファレンス

    2016年7月、グランドプリンスホテル赤坂跡地に建てられた東京ガーデンテラス紀尾井町の紀尾井タワー4階に、「紀尾井カンファレンス」がオープンしました。会議やセミナーをはじめ、パーティー、プライベートショー、企業研修、各種説明会、ミーティングなど、多彩なイベントを開催することができます。
    【関連記事】東京ガーデンテラス紀尾井町「紀尾井カンファレンス」がオープン

MICE調査・研究

MICEを開催するにあたり、必要な調査・研究の設計、実査、解析、調査結果に基づくコンサルティングを行い、お客様のプロジェクト内容に応じたサポートを実施します。

主な事例

  • 東京都政策企画局

    東京都知事部局の機関である、政策企画局のホームページのリニューアルと開発業務を受託いたしました。

     

    内閣府知的財産戦略推進事務局

    中国・九州地方にて、地域・社会と協働した「知財創造教育」に資する学習支援体制の調査を行いました。

【関連リンク】MICE都市研究所│調査・研究/豊富な実務経験と専門分野の知見をベースに

国際会議誘致

国際会議誘致を成功させる為には、実施運営提案、財務計画、危機管理、ロビーイングなど、高度な戦略と計画が必要となってきます。JCSの豊富な経験と卓越した国際ネットワークで、勝てる戦略を提案します。

主な事例

  • 第17回国際義肢装具協会世界大会(ISPO2019)

    2019年10月、兵庫県神戸市の神戸国際展示場で開催されました。本大会は義肢装具に関する技術及び教育の普及・振興を目的とし、医師や義肢装具士、理学療法士、エンジニア等、約5,000名が世界各国から集まりました。日本での開催は1989年に神戸で開催されて以来、30年ぶりとなります。

     

    第10回世界水族館会議(IAC)

    2018年11月に福島県にあるアクアマリンふくしまにて、35か国500名の水族館関係者、研究者、教育者、企業関係者が集まり、水族館を通じて地球の未来について考え、海洋の公害問題などの情報交換を行う国際会議が開催されました。

【関連リンク】MICE都市研究所│国際会議誘致/誘致活動は、intelligentな戦いです

教育・研修プログラム

JCSは、企業、団体や社会人、小学校から大学までの教育機関を対象に、MICEという専門的な知識と戦略が要求される分野において、マーケティング、広報、経営、運営に関わる幅広い教育・研修プログラムをご提供いたします。
一般的な講義はもちろん、お客様の課題を引き出し、その課題や必要性に焦点を当てカスタマイズされた教育・研修プログラムをご提案させていただきます。

主な事例

  • 大学生向けのMICE講座

    横浜商科大学商学部、東洋大学観光学部、立教大学観光学部にてMICEの基礎知識や今後のMICE活用の可能性について講義を行いました。

     

    国立青少年教育推進機構

    青少年やその教育指導者に対する研修、合宿訓練などを行っている国立青少年教育推進機構に、青少年の家、自然の家の利用者をどう増やしていくかをテーマにしたマーケティング研修を行いました。

     

    松山観光コンベンション協会

    松山市及び愛媛県の文化的、社会的、経済的な特性を活かし、観光客およびコンベンションの誘致支援を行う協会関係者の方々を対象に、マーケティングの視点から新しい事業創造についての講義を行いました。

【関連リンク】MICE都市研究所│教育・研修/ニーズに応じた教育・研修プログラムをご提案

まとめ:MICEに関するお問い合わせはJCSまで

MICEは、専門的な知識に基づいた高度な戦略を基に運営しなければ、会を成功に導くことができません。JCSは、半世紀以上にわたり、大型国際会議や学術集会の誘致・運営を行い、それに関連した地域活性化の取り組み、MICE施設の運営、MICEに関する教育・研修等を行ってきました。その蓄積されたデータとノウハウを活用して、お客様が理想とするMICEの実現へと導きます。

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