コラム

2020.10.08

オンラインイベントの企画・運営方法を解説!事例あり


リモート勤務やオンライン会議など、さまざまな業務・行事のデジタルシフトが進み、自社イベントの企画・準備・運営に苦戦している担当者が多いのではないでしょうか。オンラインイベントは現地開催(リアルイベント)と比べると、必要とされる資機材・ITツール・集客方法・運用方法などが異なり、専門性の高いノウハウが求められます。

本記事では、オンラインイベントの企画から運営に至るまでの注意点やコツをわかりやすく解説しています。記事の後半では、「絶対にオンラインイベントを失敗できない人」に向けた攻略方法も紹介しています。

オンラインイベントの需要は増加している

2020年2月からの新型コロナウイルスの流行に伴い、対面でのイベントが相次いで中止に追い込まれました。それに代わって、急速にニーズが上昇したのがオンラインイベントです。コロナ禍以前には現地開催のリアルイベントが中心だった企業の多くが、オンラインイベントへと舵をきっており、参加者にとっても身近なものになりました。

2020年5月、一橋大学イノベーション研究センターが全国の企業300社以上を対象に行った調査結果によると、50%以上の企業が「営業・セールスなどの顧客接点をオンライン化した」と回答しています。

またオンラインでのイベント実施は、主催者側にも、参加者側にも以下のような利点があります。

主催者側のメリット 参加者側のメリット
  • 開催費用や準備のコストが下がる
  • 大人数の集客が可能になり、今までとは違う客層/参加者層にリーチできる
  • 参加者のアクセスデータが解析できる
  • 気軽にリラックスして参加できる
  • 地方や海外からでも参加可能
  • チャット機能などでより多く参加者とコミュニケーションが取れる
主催者側のメリット
  • 開催費用や準備のコストが下がる
  • 大人数の集客が可能になり、今までとは違う客層/参加者層にリーチできる
  • 参加者のアクセスデータが解析できる
参加者側のメリット
  • 気軽にリラックスして参加できる
  • 地方や海外からでも参加可能
  • チャット機能などでより多く参加者とコミュニケーションが取れる

【出典】原泰史、他「新型コロナウィルス感染症への組織対応に関する緊急調査 : 第一報」

オンラインイベントの企画・運営方法

オンラインイベントを実施するためには、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。ここでは、オンラインイベントの企画段階から、準備、開催当日に至るまでの手順を詳しく解説していきます。

オンラインイベント企画のコツ

まずは、実施したいオンラインイベントの企画書や企画案を作成する必要があります。その中で、最低でも次の7つの事柄について十分に議論しましょう。

    • 目的
    • 対象者
    • 内容
    • 開催日時
    • 実施場所
    • 配信ツール
    • 集客方法
  • イベントの目的(ゴール)

    イベントの目的は何なのか、イベント後にどのような変化・効果を期待するのかを明確にしましょう。数値的な目標があるとさらによいです。

     

  • 対象者(ターゲット)

    イベントの対象者は誰なのか、性別・年代・役職など、できるだけ細かく絞ることで、その後の計画をスムーズに進めることが可能になります。

     

  • イベントの内容(コンテンツ)

    イベントで提供する内容はどのようなものでしょうか。外部講師やファシリテーターが必要であれば、アポイントメントをとり、確保する必要もあります。

     

  • 開催日時

    オンラインイベントにおいて開催日時はその成否に大きく影響を与える要因の一つです。一般的に、平日であれば就業時間外である夜間、休日であれば昼間の時間帯が、多くの人にとってアクセスしやすい時間と言えます。

     

  • 実施場所

    イベント時に主催者が発信を行う場所のことです。自社で対応する場合、良好なインターネット環境が最低限必要です。また、当日の映像・音声に関する注文も、オンラインイベントで参加者から最も多く出る要望です。スタジオやカメラ、マイクなどが揃った本格的な会場で行いたい場合は、外注することも検討しましょう。

     

  • 配信ツール

    どの配信ツールを利用するかを決定するためには、それぞれの特性を把握する必要があります。有料ツールの方が利用できるサービスが豊富なため、より参加者にとって満足度の高いイベントを開催できる可能性は高いと言えます。

     

  • 集客方法

    ターゲットによって効果的な集客方法は異なります。若い年代であればSNS等を中心に、年齢層が高い場合はメールやホームページ、チラシ、DMなどで集客するなど、それぞれに応じた集客方法を検討し、集客開始時期も逆算しておきましょう。また参加費を設定する場合は、オンライン決済ツールを利用するとスムーズです。

オンラインイベント当日までの準備のコツ

オンラインイベントの企画が決定した後は、当日に向けた準備の段階となります。オンラインイベント当日までに行うべき準備は、以下の4つです。

    • 広報活動
    • 参加者情報の分析
    • 役割分担とリハーサル
    • 参加方法の案内
  • 集客のための広報活動

    企画で決定した集客方法に必要な資料を作成する必要があります。特にSNSやホームページで集客する際は、イベント専用のランディングページ(LP)を作成しましょう。LPには、イベントの概要はもちろんのこと、その魅力が伝わるデザインかどうかが集客に大きく影響します。

     

  • 参加者情報の分析

    参加者の分析も、十分な準備をするための大切な要素の一つです。イベント申し込み時に、年代、性別、所属などの基本情報を収集するだけでなく、参加者がイベントに何を望んでいるのか、どのような悩みを抱えているのか等の質問も添えることで、参加者のニーズに合わせたイベント内容に修正することができます。これによって、より参加者満足度が高いイベントを実施することができます。

     

  • 当日の役割分担とリハーサル

    イベント当日、トラブルにより上手く配信できなかったという事態だけは絶対に避けなければなりません。そのためにも、明確な役割分担と、複数回のリハーサルを行うことを強くおすすめします。オンラインイベントの経験が少ない場合、配信ツールの使い方や、映像・音声が乱れた際の対処など、ノウハウが蓄積されていません。想定されるトラブルを整理し、ケースに応じて誰がどのような役割を担うのかを明確にし、チームで配信に望まなければなりません。

     

  • 参加方法の案内

    参加者に当日のイベント参加方法を案内します。案内の方法は配信ツールによって異なりますが、オープンな無料イベントであれば集客用のイベントページに掲載しておきましょう。クローズなイベントであれば、参加者に向けてメールなどで当日の配信方法を連絡します。参加申し込みの期限が開催直前の場合、参加方法の案内が届かないなどのトラブルが発生しがちなので注意が必要です。

オンラインイベント当日運営のコツ

いよいよオンラインイベント当日を迎えます。当日の運営で重要なことは、以下の3つです。

    • 配信トラブルへの対応
    • 参加者への対応
    • アンケートの実施配信
  • 配信トラブルへの対応

    先述の通り、オンラインイベント当日に最も多いトラブルが映像と音声です。このトラブルに迅速に対処するためにも、複数の利用可能なインターネット回線を用意する、パソコンやタブレットなど緊急時に配信可能な機材を複数準備する、などの備えが必要です。

     

  • 参加者への対応

    オンラインイベントは、対面のリアルイベント以上に参加者への配慮が必要です。なぜなら、オンラインイベントでは話し手が登壇している間も、絶えず多くの参加者とコミュニケーションを取り続ける必要があるからです。例えば、質問やコメントは常時参加者から飛んできます。それに一つひとつ丁寧に対応することで、参加満足度の向上につながります。この参加者への対応には専用の担当スタッフを割り当てておきましょう。

     

  • アンケートの実施

    オンラインイベントにおいても、必ず参加者に向けたアンケートを実施しましょう。アンケートの役割は、イベントの評価や次回のオンラインイベントに向けた改善点を発見することができるだけではありません。そこから顧客拡大、新たなつながりやパートナーとの出会いに発展する可能性が十分にあります。オンラインでアンケートを行う際は、Googleフォームなどのアプリケーションを活用することで、作成・集計・分析が簡単にできます。

【関連記事】オンライン配信の方法や必要な機材は?配信時や録画時の注意点も解説

オンラインイベントを
一から企画するのは大変

ここまでオンラインイベントの企画から準備、当日の運営についてのプロセスを解説しました。このプロセスを見るだけでも、オンラインイベントを開催・運営することがいかに大変かを実感できたのではないでしょうか。

イベント担当業務の流れ

オンラインイベントは最近になって急増したこともあり、ほとんどの企業にとって経験や知見がない分野のため、その企画・実施に非常に苦労しています。特に、当日の映像・音声、ネットワークのトラブルシューティングや、配信ツールの操作方法などにはある程度の実績と経験が必要なため、イベントの成功にも大きく影響します。

そのため、規模の大きなイベントであったり、絶対に失敗できないようなイベントの場合は、実績のある会社に委託する方が確実であると言えるでしょう。

【成功事例】オンラインイベントのサポート実績

私たち日本コンベンションサービス(JCS)は1967年に創業して以来、13,000件以上の実績をもとに、お客様のコンベンションを成功に導いてきました。これらの経験から培ったノウハウによって、多くのお客様に満足していただいております。

オンラインイベントを手掛ける「コンベンション事業」の事例

私たちJCSの事業の一つであるコンベンション事業は、国際会議や政府系の会議、国際学会、企業イベントなどの企画・運営を行う事業です。
近年では、イベントのバーチャル開催や講演会等のオンデマンド配信、シンポジウムのライブ配信など、オンラインイベントの開催を数多く手掛けて参りました。特に、主催者のご要望をまとめる「コーディネーション力」と、スピーディーに準備・遂行する「実行力」、そして専門領域に強い提携企業との「連携力」を持ち味としてきました。

具体的なオンラインイベントの事例について、以下で紹介します。

事例1. オンライン社員総会

休業中の社員や内定者を含め、300人以上がリモートで参加した社員総会。社内会議室に本格的な「配信スタジオ」を設営し、映像機器やカメラを持ち込んでライブ映像を配信しました。Zoomのブレイクアウトセッション機能を使って実施したグループゲームでは、全社員に事前に配った「グッズ」の活用や、社員一人ひとりに役割を持たせるといったオンラインでも飽きない企画が好評でした。緻密に設計された企画とグループ会社による高品質の映像配信で、8割を超える参加者が「満足」と回答しました。

事例2. オンライン交流イベント

未踏会議2020の交流イベント「未踏Night」で、Web会議システムとイベント連動型マッチングサービス「Buddyup!」を融合させた「バーチャル懇親会」を実現しました。参加者が事前に登録した「プロフィール」や「興味・関心ごと」を元に、AIアルゴリズムがグループ分けするため、初対面でも交流が生まれます。ニコニコ生放送、YouTube等を使用したライブ配信に加え、参加者同士の交流を促す仕組みが大変好評でした。

事例3. オンラインファンミーティング

プロ野球のOB選手と、ファンがオンラインで交流した「ソフトバンクホークス オンラインファンミーティング」を行いました。ここでしか聞けないフリートークや、投票機能を使ったお絵かき対決、トークイベント選手との対話など、参加者全員が楽しめるようプログラムを設計しました。
ライブ感に溢れた交流企画は、オンラインでも“心温まる空間”をつくり出しました。

事例4. 国際会議海外キーパーソン招請事業(Meet Japan)

日本政府観光局(JNTO)が主催するMeet Japanで、デジタルプラットフォームを使ったセミナー、商談会(マッチング)、都市視察を行いました。映像を活用した「オンライン都市視察」では、キーパーソン(バイヤー)視点でこだわった演出や脚本が、高い評価を受けました。
オンラインは各都市の魅力を「知る」「気づく」きっかけの提供に有効で、「気軽に情報を閲覧できる」機会の創出が、多くのエンゲージメント獲得に繋がりました。

オンラインイベントで活躍する「通訳・翻訳」の事例

オンラインイベントは物理的な距離にかかわらず、世界中からゲストを呼んだり集客できるという大きな特徴があります。そのときに重要なことが通訳および翻訳作業です。

わたしたちJCSでは、「通訳」と「翻訳」のサービスも行っております。多国籍な参加者を想定したイベントを実施する際も、弊社の通訳サービスや資料等の翻訳サービスも併せてご利用いただくことが可能です。

JCSの通訳サービスは、国際会議からビジネスセミナーまで、幅広い分野に対応しています。英語だけでなく、中国語、韓国語、ドイツ語、ロシア語、アジア言語など、世界の公用語カバー率は99%以上を誇ります。業界トップクラスの2,000名以上の通訳者が登録し、分野ごとに専門性の高い通訳者を手配することが可能です。JCSのコーディネーターがお客様と通訳者の間に入り、品質面と柔軟性に長けた通訳サービスを提供いたします。

JCSの翻訳サービスにおきましては、1,000名を超える国内トップクラスの翻訳者を登録しております。JCSは、業界でいち早くプライバシーマーク(Pマーク)を取得しており、コンプライアンスと個人情報管理を徹底しております。対応言語は、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語など40以上の言語を扱い、専門分野における短納期のご依頼も、高品質かつスピーディーに対応します。
現在、トライアル無料サービスもお受けしています。

事例5. オンライン通訳を使った「日中韓スポーツ大臣会合」

日中韓3か国が、スポーツ交流やコロナ禍におけるスポーツ協力の促進について意見交換し、日本からは萩生田文部科学大臣が出席しました。JCSは、3カ国をつなぐ「同時通訳者」と、リモート環境における「同時通訳機材」の手配、またオンライン会議に必要な「映像・音響機材」の設営をワンストップで対応しました。

映像翻訳の対応事例

  • 講演動画
    (金融系協会)

    英語で行われた30分程度の金融に関する講演動画に、日本語の字幕翻訳を付けました。音声の文字起こしから、動画への焼き付け作業までを行いました。

  • 企業メッセージ動画
    (化粧品会社)

    創業者様の想いや環境保全への取り組み等、企業紹介動画の英語化を行いました。字幕の表示タイミングを示すタイムコードと、英語字幕のテキストを提供しました。

お問い合わせからサポートまでの流れ

まずは、JCSのホームページにあるメールフォームより、必要事項を記載いただき、送信してください。その後、こちらからご連絡させていただき、お客様のご要件をヒアリングさせていただいた上で「オンラインイベント」に関するプラン・お見積等をご提案いたします。

また、Web会議システム「Zoom」の活用術を解説したホワイトペーパー「 オンラインイベントの開催に向けたマニュアル・ガイド」も無償で配布しております。
ぜひお気軽にご相談ください。

オンラインイベントの企画は
JCSにお任せください

オンラインイベントの成功のためには、今回紹介したように、企画段階から当日の運営に至るまでに入念な準備が必要です。しかし、多くの企業やイベント主催者にとって、オンラインイベントを実施するためのノウハウや経験はまだまだ十分に積み上げられていないのが現状です。そのため、イベントの目的や規模に応じて、オンラインイベントのノウハウを持った企業に依頼することが確実な方法と言えるでしょう。

JCSは、イベント開催の専門家によって長年蓄積されたノウハウと、数々のオンラインイベントの実績をもとに、多くのイベントを成功に導いてきました。貴社にとって最高の形でのオンラインイベントを提案させていただきます。

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