2023.04.14

展示会「八王子ものづくりEXPO」から始まる地域の「繋がり」


八王子ものづくり系イベント実行委員会、八王子市は、2022 年 11 月 11 日(金)~12 日(土)まで、八王子市内外の事業者が一堂に会する展示会「八王子ものづくり EXPO 2022」を開催しました。
会場は2022年10月に開業したばかりの東京たま未来メッセ。本展は、多摩地区を中心として、企業、教育機関、市民など、エリアや業種を超えた新たな「繋がり」を作り出す目的で開催されました。

展示会名 八王子ものづくりEXPO 2022
主催者 八王子ものづくり系イベント実行委員会、八王子市
期間 11/11(金)~11/12(土)2日間
会場 東京たま未来メッセ(東京都立多摩産業交流センター)

出展者数

69社

来場者数

約4,800名

  • 2022 年 10 月に八王子市で開業した産業交流拠点、東京たま未来メッセ 2022 年 10 月に八王子市で開業した産業交流拠点、東京たま未来メッセ

今回は、当日の展示会の様子や会期後の反響について、本展の主催者である八王子市役所の多田航様と、出展者の島田電機製作所の島田正孝社長・企画部 小倉心愛様に直接お話を伺いました。

主催者のコメント

  • <b>八王子市役所<br />
産業振興部 産業振興推進課<br />
多田 航 様<br />
</b> 八王子市役所
    産業振興部 産業振興推進課
    多田 航 様

企業・教育機関・地域のアライアンス形成を目指す

本展は、ただブースを並べるだけの展示会ではなく、企業・教育機関・地域を結ぶアライアンス形成を促進し、新たな事業を生むための足掛かりとなるイベントにしたいと考えていました。八王子の企業でも地元にどんな事業者の方がいるのか、意外とご存じないケースが多いです。本展によって、「地元企業が一堂に集まり、地元間で連携することができる、これほど良いことはない」という声が寄せられています。初日終了後の出展者交流会では、名刺交換と歓談が事業者間、そして学生も交わって活発に行われていました。

  • 出展者交流会の様子 出展者交流会の様子

八王子市には学園都市という特性があり、教育機関との繋がりが重要だと考えています。そこで、企業と教育機関、教育機関と市民の連携が生まれること、教育機関が他者との連携を自分事としてとらえられるようになると非常に良いのではないかと考え、ソーラーカー乗車体験、AR 溶接体験など、体験型の特別企画を実施しました。特別企画というコンテンツをハブとし、企業や地域との繋がりの派生を目指す目的もありました。
開催日にもこだわりました。ビジネス目的の展示会は平日に開催されることが多いのですが、本展は地域の皆様に近隣の事業者を知ってもらえるよう、土曜日も含めて開催しました。土曜開催に関しては、様々なご意見をいただきましたが、出展者の方々には、学生や地域の皆様に自社や提供サービスを知っていただくことのメリットや重要性を訴求することで、ご理解を頂けたと考えています。
今後も、大企業・中小企業・教育機関・地域の皆様の連携を支援する事業に取り組んでいきたいと考えております。

 東京工業高等専門学校「AR(拡張現実)を使った溶接体験」
 東京工業高等専門学校「AR(拡張現実)を使った溶接体験」
東京都立大学「おもてなしロボット」
工学院大学「ソーラーカー(Wing)」

本展をきっかけに、八王子市内の出展事業者が大学を巻き込んだ新たな計画を立案し、市役所に相談をいただいています。しかし、このようなマッチングは氷山の一角です。今回の展示会を通じて、八王子市外・広域多摩地域などの色々な企業や教育機関、団体を繋げることで、本市の産業振興を目指しています。また今後、エリアの連携にとどまらず、産学や産学官連携などの異業種連携をどのようにして生み出すか、八王子市役所としても検討を進めていきたいと思っています。

出展者のコメント

<b><br />
島田電機製作所<br />
代表取締役社長 島田 正孝 様<br />
</b>

島田電機製作所
代表取締役社長 島田 正孝 様

島田電機製作所
企画部 小倉 心愛 様

展示会出展は初!地元のものづくり産業を盛り上げたい

当社はエレベーターの押しボタンや到着灯などを製作する会社で、二次請けが多く、これまで積極的な営業活動は行っていませんでした。展示会には一度も出展したことがありません。しかし、根底には自社開発の製品に対するダイレクトな反応を知りたい、さらに積極的に情報を発信することで新しい気づきが得られるのではないか?という思いがありました。
当社からほど近い場所に東京たま未来メッセが開業し、そこでものづくりの展示会が開かれることを知り、「八王子で製造業として働く私たちが出ないわけにはいかない」、「八王子のものづくりに貢献していきたい」と思ったことが、今回出展したきっかけです。本展では、通常のブース出展と併せて、当社が開発した「1000 のボタン」の特別展示で参加しました。

「1000 のボタン」は、エレベーターで使われている様々なボタンを 1000 個並べた当社工場見学のコンテンツの一つで、半年先までの予約が満員です。おかげさまで多くのメディアに取り上げていただき、1000 個のボタンを 30 秒で何個押せるかの「早押しチャレンジ」は多くの著名人の皆様にも体験していただきました。

島田電機製作所が開発した「1000のボタン」
島田電機製作所が開発した「1000のボタン」
「30秒早押しチャレンジ」が楽しめる

出展による社員の成長と地元とのコラボレーション

  • 島田電機製作所:出展ブースの様子 島田電機製作所:出展ブースの様子

本展の開催期間には土曜日も含まれていたため、社員・会社にとって負担にはなります。しかし改めて自社のことを知り、当社のファンと直接コミュニケーションをとることができる場ととらえることで社員のエンゲージメントを高めることができたと感じます。
実際、展示ブースで説明にあたった社員からは「案外会社のことを知らないと感じた。説明していく中で改めて会社について知ることができ、展示会に出て良かった。」という声が上がりました。
本展の出展をきっかけに、新規に事業の打ち合わせを始めた企業もあります。八王子市内の病院と健康分野でのコラボレーションの話も進んでいます。ものづくり企業との繋がりだけでなく、地域との繋がりが生まれた好例ととらえています。
東京たま未来メッセは開業したばかりです。ここから、このような事例がたくさん生まれ、地域の繋がりが広がっていけば良いなと思います。

どんな企業でも、世の中を魅せられる

1000 のボタンはメディアでも多数取り上げられていますが、例えば、ただ 100 個のボタンを展示してあるだけでは、ここまで広く知られていないと思います。ものづくり企業は安全性を重視し、失敗できないという意識が強く、堅いイメージがありますが、ユーモアやデザイン性・ゲーム性を加えていくことで、がらっと見え方を変えることができると考えています。ボタンを何回も押せたら面白いのではないか、もしボタンが 1000 個あったら、というような単純な発想であったり、視点をずらしたり掛け合わせていくことで、世の中のニーズに合わせた見せ方ができると考えています。こうした視点や発想を持つことで、どんなものづくり企業でも、沢山の人に楽しんでもらうコンテンツの開発やそれを通じた新たな商品・サービスの提供ができると思います。

  • 上段左から JCS:藤 八王子市役所:穴井様 多田様 JCS:小林<br />
下段左から 八王子市役所:下田様 額田様 上段左から JCS:藤 八王子市役所:穴井様 多田様 JCS:小林
    下段左から 八王子市役所:下田様 額田様

JCS は、このような展示商談会の企画・準備・運営だけでなく、出展者や来場者の集客、バイヤー招聘、商談補助など、ビジネスイベントにおける幅広い業務領域をサポートしています。お気軽にご相談ください。

ケーススタディ

MORE