コラム

2017.07.10

国際資格CMPのコラム第28弾「PROMOTE MEETING OR EVENT」


当社職員がお送りする、ミーティングプランナーの国際資格(CMP)をテーマにした「MICE Japan」の連載第28弾です。今月はイベントプロモーションの方法論であるクロス・プロモーション、ホスピタリティ、コンテストの3つを学びます。CMP(Certified Meeting Professional)は、約2万団体・10万名が属する世界最大のMICE産業団体Convention Industry Councilが認証する、ミーティングプランナーの国際資格です。

SKILL 27: PROMOTE MEETING OR EVENT
Sub Skill 27.01 - Develop cross-promotional activities
Sub Skill 27.02 - Develop contests
Sub Skill 27.03 - Coordinate hospitality

CMP出題頻度:3~ 5問(合計150問)


今月はイベントのプロモーションということで、方法論としてクロス・プロモーション、ホスピタリティ、コンテストの3つを取り上げます。ターゲットとテーマを明確にすれば、あとは予算しだいで、目的を達成するための打ち手はだいたい決まってきます。
イベントのプロモーションは、できる限り早い段階で始めます。まずはウェブサイトの情報をこまめに更新すること、特に大型イベントではモバイルにも対応したウェブサイトとすることを強くお勧めします。
効果的なプロモーションを行うためには、出展者、スピーカー、参加者、スポンサー、メディアなど、さまざまな種類のステークホルダーに対して、それぞれにカスタマイズした「なぜこのイベントに参加すべきなのか」というメッセージを用意する必要があります。このメッセージを伝える方法はウェブサイト、Eメール、郵送、ターゲット広告などさまざまな方法がありますが、いずれにしても「そのイベントがあたかも自分のためだけに企画されたような印象」を与えられることが理想です。
さらにパーソナライズされた方法としては、重要な人物に対するVIPからの直接の電話や手紙といった方法も考えられます。デジタルの時代であればこそ、電話や手紙が逆に功を奏することもあるのです。

クロス・プロモーション

Sub Skill 27.01 - Develop cross-promotional activities

参加促進プロモーションのひとつの手法として、パートナー団体との協力関係のもと相互にプロモーションを行うクロス・プロモーション(cross-promotion)という方法があります。パートナー団体として考えられるのは、スポンサー企業や関連団体、類似イベントの主催団体などさまざまです。
まずはパートナーになりうる団体のリストを作成するところから始めます。そして、それぞれの団体とコネクションを持っている人物を特定します。このコネクションの強さがクロス・プロモーションの決め手になるのですが、想定通りに連携が進むとは限らないので、対象を広げて、なるべく多くの候補団体をリストアップしてください。
連携のありかたはさまざまです。基本は相手方のイベントへの参加を相互に促進するというものですが、一方の団体はイベント参加ではなく別のことをプロモーションするケース、もしくは交換するプロモーション機会がないため金銭で解決するようなケースもありえます。
もしイベントが開催地コミュニティにもたらす価値が高い場合は、自治体や地元企業、住民ネットワークとのクロス・プロモーションを行うことで、主催団体やイベントを効果的にプロモーションすることができます。この場合、CSRプログラムを実施することで、その価値・効果を文書として残すという効果も生まれます。
参加者層が同じだけれども競合関係のないイベントがある場合は、相手方のイベント開催中にウェブサイトやSNSで取り上げるといった方法でクロス・プロモーションを行うことも考えられます。また、ひとつの戦略として、パートナー団体との「セット割引」を打ち出すということもあります。他団体の入会費割引や、割引コードの発行といった方法が取られています。
いずれにせよ、めざすゴールによって取るべき方法は異なります。クロス・プロモーションを実施する際は、相互のタイミングを合わせて息の合ったキャンペーンを打ち出すこと、そして同時に自分たちの全体的なマーケティングプランに沿ったものにすることが重要です。

コンテスト

Sub Skill 27.02 - Develop contests

多くの参加者は潜在的な「達成要求」を持っています。さまざまなコンテストを企画することで、参加促進や参加経験を広めるためのプロモーションにつなげることができます。
コンテストの賞品としてよく見られるのは「優勝者は参加費無料」というものですが、一方で、1人分しか賞品が用意されていないのに、多くの人がコンテストに参加するものだろうか、という疑問があると思います。このため、複数の小さな賞を設けたり、優勝できなくてもコンテスト参加者全員が数パーセントの参加費減額が受けられるなど、あの手この手で勧誘が行われます。また、スポンサー企業やサプライヤー企業に賞品を提供してもらうこともあります。
こうしたコンテストの賞品は、マーケティングのためのコストとして予算に計上します。できるなら効果測定を行うことで、その結果から得られた知見を次回以降に活かすことができます。また、コンテストという行為自体がそぐわないイベントもあるので、これも全体的なマーケティングプランに沿っている必要があります。ちなみに北米の場合、SNSでコンテストを展開する場合は州法に触れる場合があるので、法律や規制内容を理解しておく必要があります。
コンテストへの登録にあたっては、たとえばフェイスブックで「いいね!」をクリックしてもらうというのは簡便な方法です。しかし、SNSにはなりすまし登録もありうるため、応募者の身分を担保することができません。そこで第三者による登録サイトを設けて、本人の同意のもとに個人情報も登録した応募者の中から当選者・優勝者を選ぶ方法が安全で望ましい方法と言えるでしょう。 ちなみにSNSはターゲット層に情報を拡散させるために有用なツールですが、ターゲット層であっても物理的・金銭的にイベント参加が難しいという人々は、わざわざ情報をシェアしようとは思わないかもしれません。このため、実際にイベントには参加できない人々でも関心を持つようなバーチャルコンテンツを用意しておくことで、SNSでの拡散力を高めることもひとつの戦略として挙げられます。

ホスピタリティ

Sub Skill 27.03 - Coordinate hospitality

イベント参加の動機付け要因として、イベント本体のみならず、開催地で開かれるイベントやアトラクションに行ってみたいということがあります。家族や友人を帯同できるようなイベントならなおさらです。こうした娯楽要素を広くカバーする用語として、ホスピタリティ(hospitality)という言葉をよく耳にされると思います。
イベント開催地でどのようなアトラクションが可能であるのかを調べるうえで、有用なのはDMO・CVBのウェブサイトです。このウェブサイトでは、現地で開催される主要なイベントが掲載されているため、同時期に開催されるイベントを調べるためにも役立ちます。同じ開催地で同時に他のイベントが開催されることは、宿泊予約が困難であったり交通の混雑といった物理的なマイナス面もありますが、一方でプラス面の要素もあります。
そこでスポンサー企業などがホスピタリティ・イベントを開催できるように時間枠を空けておくこともあります。なるべく早めに内容を確定させて本体イベントとのすみわけを行うことで、コスト削減などのメリットを生み出すことができます。なお、こうしたスポンサードイベントには2種類あって、ひとつは開催費用の全額をスポンサーシップとして本体予算に組み込むもの、もうひとつは本体とは切り離して独立採算で行うものです。さらに別の形のホスピタリティとして北米でよくみられるものに、DMO・CVBや大手ホテルによるコンシェルジュ・サービスがあります。地元のレストランやアトラクションを紹介してもらえて、その場で予約も行うと言うようなサービスです。日本でもこうしたホスピタリティをさらに充実させることで、参加者満足と開催地の経済発展をともに促進していくことが求められています。

Congrats Three New CMPs!

CMP試験は年4回行われていますが、第2四半期の試験では新たに3名のCMPが誕生しました。Hiraki Tatsuyaさん、Itoh Hiromiさん、Masui Kenichiroさんです。おめでとうございます!海外で活躍する日本人CMPが着実に増えてきています。
2012年に観光庁「MICE人材育成事業」の一環として始まったCMP育成プログラムですが、この5年間で日本人CMPは2名から20名にまで増えました。国際競争力強化の一環として、これからも日本から多くのCMPが誕生することを願っています。
なお、今年からConvention Industry Councilの名称がEvent Industry Councilに変更になりました。さらにCMP試験の運営担当会社もTally Management社からSmithBucklin社に変更になっています。ロゴマークも刷新されましたので、新しいブランドのCMPをよろしくお願いいたします。

 
  • 押さえておきましょう! CMP用語集(terminology)

    Cross-promotion ---------- クロス・プロモーション

    Hospitality event ---------- ホスピタリティ・イベント

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