コラム

2017.06.12

国際資格CMPのコラム第27弾「MANAGE MARKETING OR EVENT MERCHANDISE」


当社職員がお送りする、ミーティングプランナーの国際資格(CMP)をテーマにした「MICE Japan」の連載第27弾です。イベント開催にあたって、プロモーション用のギブアウェイや、販売用オリジナル商品を制作することがあります。今回は、マーケティング戦略の一環として制作されるプロモーショングッズの企画検討について学びます。

CMP(Certified Meeting Professional)は、約2万団体・10万名が属する世界最大のMICE産業団体Convention Industry Councilが認証する、ミーティングプランナーの国際資格です。

SKILL 26: MANAGE MEETING OR EVENT MERCHANDISE
Sub Skill 26.01 - Develop product(s) design and specifications
Sub Skill 26.02 - Determine pricing
Sub Skill 26.03 - Control brand integrity
Sub Skill 26.04 - Acquire merchandise
Sub Skill 26.05 - Distribute merchandise

CMP出題頻度:0~ 2問(合計150問)


イベント開催にあたっては、プロモーション用のギブアウェイや、ときには販売用オリジナル商品を制作することがあります。いずれもマーケティング戦略の一環として制作されるものですが、プロモーショングッズの企画検討にあたっての基本的なステップは下記のとおりです。

 
  1. 主催団体のミッション・ステートメント、ゴール・目的、ブランドを理解する。これらはそのままイベントやプロモーショングッズの企画にも反映されるべきものです。
  2. グッズの配布対象であるユーザーについて調査して、そのニーズを理解する。
  3. 制作予算を決める。販売用商品を制作する場合は、売上予算も立てておく必要があります。国外で使用する場合は輸送費や関税にも留意する必要があります。プロモーショングッズの持ち込みについて、特定のルールを設けている国や産業もあります。
  4. 適切な制作会社を選ぶ。この分野には多くの会社がありますが、選択基準としては、納期を遵守できること、対応が早いこと、品質の高さが重要です。
  5. グッズを制作する目的を明確にします。不特定多数に配布するギブアウェイなのか、販売用商品なのか、スタッフが身に着けるための製品なのか。また、VIP向けの製品には差別化のための品質とクリエイティビティが求められます。
  6. 特別なニーズがある場合は考慮します。特定の国で生産された製品や、サステナビリティ配慮などです。
  7. グッズの配布(方法・タイミング)と事後評価について、あらかじめ計画を立てておきましょう。

プロモーショングッズのデザインと仕様

Sub Skill 26.01 - Develop product(s)design and specifications

プロモーショングッズを制作する目的は、主催団体やイベントのブランドを構築して、顧客からみた価値を高めることです。グッズの使い勝手と見た目がよければ、ユーザーは長く手元において使用するため、マーケティング効果を高めることができます。それでは、プロモーショングッズを制作する理由を整理してみましょう。

  • ブランド構築
  • 顧客ロイヤルティを高める
  • 新規顧客獲得
  • イベントの開催記念
  • 新製品のアナウンス
  • イベント参加者の体験価値を高める

多くの企業や団体はブランド戦略を持っていて、彼らが何者であるか(who they are)、顧客に何をもたらすか(whatthey offer to their customer)を明確にするとともに、競合他社との差別化を行っています。ブランディングとは”Themarketing practice of creating a name, symbol or designthat identifies and differentiates a product from otherproducts”と定義されています(Entrepreneur, 2013)。
プロモーショングッズを制作する際は、主催団体のブランドの要素を取り入れることにより、一貫したメッセージを顧客に届けることが必要です。グッズを決定する際に必要なコンセプトは3つあります。

 
  1. 使い勝手手usefulness
  2. 在庫期間shelf life
  3. 顧客ニーズとの適合applicability to your customer

まずは過去の制作物を見返してみて、成功事例を分析してください。成功要因は開催地と関連する場合もあります(リゾート地での開催ならビーチタオルなど)。また、参加者が持ち帰るにあたり、関税がかからないこと、手軽で持ち運びしやすいことも重要です。また、在庫期間というのは、たとえばスマートフォンのカバーを作る場合、機種が新しくなると在庫が時代遅れになってしまうリスクがあることを指しています。さらに顧客ニーズを把握するためには、アンケートを実施するのもよいでしょう。日々の暮らしに取り入れてもらうには、顧客を知ることが重要です。
SNSもグッズ制作に取り入れられています。イベントやテーマごとに設定されたツイッターのハッシュタグ、ハンドル名をグッズに入れることで、SNSの持つ拡散力を利用することができるかもしれません。また、グッズの開発にSNSを使用するのもよいでしょう。SNSで新商品の企画を募り、最終発表はイベント当日に行うことにすれば、参加者増加も見込める可能性があります。
QRコードも頻繁に使用されるようになりました。QRとはquick response、すなわち長いURLを入力しなくても「すばやく特定のウェブサイトに誘導できる」のが利点です。QRコードを使用する際のコツとしては下記のような点が挙げられます。

  • QRコードの目的(なにが見られるのか)を明記する
  • あらかじめテストスキャンを行う
  • 一連のプロセスをシンプルにしてQRの強みを生かす
  • QRコードリーダーは浸透しているか?
  • ウェブサイトをモバイル対応にしておく

サステナビリティを意識したプロモーションも非常に多く見られます。カテゴリーとしては、リサイクル素材(post-consumerrecycled material)、リサイクル可能(recyclable)、生物分解性(biodegradable)、有機素材(organic materials)などがあります。

販売価格を決める

Sub Skill 26.02 - Determine pricing

イベントで販売されるオリジナルグッズには、土産物系グッズ、書籍・教科書、セッションの収録ビデオなどがあります。これらの販売価格を決める際には、類似商品の価格を調べたり、過去のセールス履歴を確認しておく必要があります。同じ業界で販売されているグッズはもちろんのこと、他の業界のグッズをみることも参考になります。
ただし、こうした調査結果だけで成功事例を導き出すことはできません。「紙コップに入った割高なコーヒーを飲みたいかどうか」というアンケート調査をやったとしても、おそらく否定的な結果しか出ないため、ここからスターバックスのビジネスモデルが引き出されることはなかったでしょう。調査結果のみにとらわれることなく、顧客自身が気づいていない潜在ニーズを生み出すことも重要なのです。
価格を決めるにあたっては、コスト単価、輸送量・手数料、類似商品の市場価格をもとに決定します。また、既存サプライヤーばかりに発注するのではなく、新規サプライヤーが参入できる余地を残しておくことで、コスト削減や新しいアイデアの導入を進めることができます。

ブランド一貫性の管理

Sub Skill 26.03 - Control brand integrity

プロモーショングッズは主催団体のブランドにも影響するため、制作にあたってはマーケティング部門と連携して、ブランド規定に準拠して進めるのが望ましいです。また、プロモーショングッズは商談会で配布されるケースが多く、商談会の参加者も「どこのブースでいいグッズがもらえるか」に注目しています。もしあなたが商談会におけるブランドや注目度を高めたいなら、よりよいプロモーショングッズを開発することは必須と言えるでしょう。

制作発注

Sub Skill 26.04 - Acquire merchandise

プロモーショングッズの分野では、多くの制作会社が幅広い商品のバラエティを扱っています。発注の際の留意点としては、下記のようなことが挙げられます。

  • 予算を立てて守ること
  • 主催団体の購買ルールに従うこと(相見積、指定会社など)
  • 制作プロセス全体のリードタイムを把握する
  • いざというときに短納期対応できるサプライヤーの確保

製品の販売

Sub Skill 26.05 - Distribute merchandise

販売用グッズはイベント会期中に会場で販売するだけでなく、事前にウェブサイトで販売することもあります。これはイベントのPRにつながりますし、当日の売れ行きを予測するための判断材料にもなります。受注から入金管理までの作業(fulfillment)は主催団体が行うこともありますし、アウトソースするという手段もあります。
当日の販売については、販売スタッフのトレーニング、現金を扱うことによる警備の問題、開催地の税法、販売規制など、さまざまな点に考慮して準備・実施することになります。また、大学などでイベントを開催する場合は、交渉次第で構内の売店に販売スペースを設けることができるケースもあります。

 
  • 押さえておきましょう! CMP用語集(terminology)

    Branding guidlines ---------- プロモーショングッズ

    Premium gifts ---------- (VIP用)プレミアムグッズ

    Fulfillment ---------- 受注から入金管理までの作業

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