コラム

2020.04.08

AI翻訳の精度は?無料サービスと有料サービスの使い分けトレンド


自動翻訳は「契約書」「製品マニュアル」といった定型文の多い文書等を得意とし、訳文の精度だけでなく、料金・時間を踏まえた「業務効率化」に優れています。特に、医薬・金融・法務等は、相性が良い分野とされています。しかし、インターネット上の翻訳サイトは「誤訳が多く、不自然な文章になりやすい。」という先入観が定着してしまっているのが現状です。そこで、本記事では、目的に応じた「翻訳のベストプラクティス」について解説します。

翻訳者は必要?それとも不要?

AIによって人間の仕事が奪われるテーマがよく話題になります。では、翻訳者の存在もまた、自動翻訳によって不要になっていくのでしょうか?前段でもご紹介した通り、自動翻訳にも相性の良し悪しがあり、特に世界の言語の中で「難解」といわれている日本語は、微妙な言い回し・ニュアンス・文脈等の特徴を正確に翻訳することは、まだまだ技術的なハードルが高いです。よって、訳文前の原稿が「日本語」である場合、翻訳者(人)は、ビジネスにおいて現時点では必要不可欠な存在です。しかし、今後の技術革新(AIの進化)においては、考察が難しい側面もあります。

手間と費用を最適化、4つのメソッド

自動翻訳を導入するメリットは「翻訳の早さ」と「コストの削減」です。しかし、原稿内容と相性が悪いと、自動翻訳した後に手直しが発生し「人の手で翻訳したほうが良かった。」という失敗に繋がります。そこで、目的や内容に適した「翻訳の手法」を正しく選定することで、翻訳にかかる手間と費用を大きく改善することができます。

  • 「定型文」の多い文章が大量にあり、「内容が把握できる程度」に翻訳したい
    →自動翻訳サービスのトライアルを実施し、品質面の事前チェックを推奨しています。

    「専門性の正確さ」が求められる文書を、低コストで翻訳したい
    →翻訳会社によるチェックは行わず、そのまま訳文を納品する「ドラフト翻訳」がオススメです。

    「ネイティブな翻訳」が求められている文書を翻訳したい
    →訳文を母国語とするチェッカーによる文法・スペルの確認、さらに原文と訳文を照合確認する「2段階チェック」を推奨しています。自動翻訳が苦手とする要件になります。

    「広告やパンフレット」など、インバウンド向けに「訴求力を重視」して翻訳したい
    →翻訳した文章をリライトし、表現の質を磨く「高品質翻訳」が、優れたパフォーマンスを発揮します。

翻訳ツールの訳出を比較

無料の自動翻訳ツール「Google翻訳」「DeepL翻訳」「Bing Microsoft Translator」の3サービスに加えて、JCSが取り扱っている有料のAI翻訳ツールで「英語→日本語」の訳出内容を比較しました。(2021年2月時点)

例文1

  • 「In radio, you have to keep the listener listening. That’s the bottom line.」

     

    ラジオでは、聞き手が聞き続けなければなりません。それが結論です

「the bottom line」は、元は経理用語で「決算書の最終行、収益等」ですが、会話などで“肝心な点” や “結論”の意味で使用されます。
各ツールの訳出を見てみましょう。

  • Google 翻訳

    ラジオでは、リスナーが聴き続ける必要があります。 それが最終的な収益です

     

  • DeepL翻訳

    ラジオでは、リスナーを聴かせ続けなければならない。それが肝心だ

     

  • Bing Microsoft Translator

    ラジオでは、リスナーを聞き続ける必要があります。それが一番下の行です

最初の一文「In radio, you have to keep the listener listening.」は、どのツールも正しく訳されており意味が十分に伝わります。しかし、最後の一文「That’s the bottom line.」の訳出は、各ツールで異なった結果になっています。DeepL翻訳では「肝心」と意図した訳出がされていますが、他ツールでは「最終的な収益」や「一番下の行」と、直訳になっています。

JCSが取り扱っているAI技術を使ったニューラル機械翻訳(NMT)では、以下のように訳出されました。

  • JCSが取り扱うAI翻訳

    ラジオでは、聞き手が聞き続けなければなりません。それが結論です

「the bottom line」が「結論です」と訳され、話の流れに合った内容になっています。

例文2

  • 「Following his promotion, he will report directly to the chairman.」

     

    昇進後、彼は会長直属の部下となります

「report to」は「~に報告する」ですが、経営や人事などで使用される「~(人)の部下である(となる)」の意味もあります。こちらも各ツールの訳出を見てみましょう。

  • Google 翻訳

    彼の昇進に続いて、彼は会長に直接報告します

     

  • DeepL翻訳

    昇進した後は、会長に直接報告する

     

  • Bing Microsoft Translator

    昇進後、彼は会長に直接報告します

3ツールとも「report to」が「報告する」と訳出され、直訳になっています。間違いではありませんが、訳出内容を使用する際は修正が必要になります。

なお、JCSが取り扱っているAI技術を使ったニューラル機械翻訳(NMT)では、以下のように訳出されました。

  • JCSが取り扱うAI翻訳

    昇進後は会長直属となります。

「report directly to~」を、「直属の部下である」というニュアンスで訳出し、意図した内容になっています。


このように、無料ツールによる訳出は、日常会話などで使われる単純な文章であれば十分な精度と言えますが、一部、ビジネスなどで使用されるイディオムや熟語については、無料ツールでは意図したニュアンスで訳出されないことがあります。
ビジネスで利用する際は、翻訳精度の高い「有料ツール」の方が、翻訳の効率がより高められると言えます。

文書との相性、多様化する有料サービス

近年では、AIによる自動翻訳の精度は飛躍的に上がり、対応言語も増加しており、ビジネス向けの「有料の自動翻訳サービス」は様々な種類がリリースされています。ディープラーニング(深層学習)の性能が向上している機械翻訳は、使用する人・企業ごとの「専門用語」や「文章のルール」をAIが学習し、ネイティブな翻訳と遜色のないクオリティを実現しているため、大手企業では導入が積極的に進んでいます。

総括まとめ

翻訳における各手法の工程やスピード感、料金相場などは、ぜひお問い合わせ時にご相談ください。自動翻訳サービスが得意とする領域、または翻訳者それぞれの得意分野と実績を確認することで、目的に応じた「翻訳のベストプラクティス」を見つけることが可能です。

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