コラム

2019.04.23

介護業界の外国人受け入れに「翻訳」を活用する方法


日本の労働力減少を補うため、政府は外国人労働者の受け入れ拡大を目指し、2018年4月1日に「改正出入国管理法」が施行されました。さまざまな物議を醸していますが、この新制度では、人手不足が深刻化している介護、建設、外食など14業種が対象となり、外国人の受け入れ促進策として期待されています。

この記事では「介護」の分野に着目し、外国人の介護職技能実習生の活動でニーズが高まる「翻訳」が介護業界にどのような影響を与えているか?そして上手な「翻訳」の活用法について解説します。

外国人「介護職員」の需要が拡大

日本では現在、推計約195万人が介護現場で働いていますが、厚生労働省の発表によると介護人材の不足人数が、2020年度は13万人、2025年度は34万人になると言われています。少子高齢化と人口減少に歯止めがかからない日本において「介護人材の確保」の解決策は、業界や業種を問わず多くの人々が注目しています。

そこで、政府は2017年11月から外国人が日本で技術や知識を習得し、自国で活かせる「技能実習制度」の対象業種に介護の分野を追加しました。さらに、2019年4月には、新しい在留資格を創設して外国人労働者の受け入れを拡大する「改正入管法」が施行され、5年間で約5~6万人の外国人就労者を確保する方針を掲げています。

外国人技能実習生を取り巻く問題点「言語の壁」

現時点で明確な課題点の一つに、施設側の「受け入れ環境や体制」が十分に整っていない点が挙げられます。例えば、外国人職員向けの業務内容の説明テキストや安全に仕事をするための教育や研修制度などです。介護の仕事では、高齢者とのコミュニケーション能力がとても重要視されています。よって、日本語や介護技術の習得が不足している外国人実習生には、「業務マニュアル」や「日本語学習資料」等を翻訳してサポートする必要があります。また、生活面では日本の文化・習慣への理解が十分でない場合、騒音やゴミ出し等で近隣住民との間でトラブルになる事態も考えられます。

これらの問題を解決するには、外国人と日本人とのコミュニケーションを円滑にする「仕組みづくり」が重要です。つまり、外国人就労者が業務を安全かつスムーズに進めるための「語学サポート」と、日本で生活していく上での負担やストレスを和らげるための「語学支援」の両方が求められます。

今後、翻訳では多様なニーズが予想できます。JCS(日本コンベンションサービス)のような語学サービスを提供している企業は、介護現場のお客様や外国人就労者の視点に立ち、現状把握と要件定義を丁寧に行うことが大切であると考えています。

介護業界に特化した翻訳例

  • 技能実習生向け教材テキストの翻訳
    (日→英、中、タイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマーなど)
  • 技能実習生の研修資料
    (日→英、中、タイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマーなど)
  • 介護福祉士の試験問題
    (日→英、ベトナム、インドネシア)
  • 雇用契約書
    (日→英、ベトナム、インドネシア)

研修用動画の翻訳

動画を活用したコミュニケーションは業種を問わず注目されています。Brainshark社のリサーチによると、動画情報を文字情報に換算すると約180万単語に相当すると言われています。これは、テロップなどの「言語情報」、ナレーションなどの「聴覚情報」、映像としての「視覚情報」の全てが動画に含まれているためです。外国人に向けた研修用の動画コンテンツも、これらの利点を活かして開発することができます。

介護分野の翻訳はJCSにお任せください【40以上の言語に対応】

英語や中国語(簡体字・繁体字)だけでなく、外国人技能実習生の割合を多く占めているベトナム、フィリピン、インドネシア、タイ等の東南アジアの言語の訳文も需要があります。JCSは40以上の言語に対応した翻訳サービスを提供していますので、多くのお客様から「外国人向けの実習生用ドキュメント」のご相談をいただいております。

編集後記

今後、外国人労働者は介護業界だけではなく、宿泊や外食など様々な業種においても受け入れの拡大が見込まれています。中国、ベトナム、フィリピンといったアジア諸国からの実習生の人数が年々増えており、日本では外国人労働者の活躍を目にする機会が増してくるでしょう。外国人との業務上のコミュニケーションも大切ですが、日本の文化やマナー、習慣などの理解を促していく取り組みは特に重要です。

JCSの翻訳サービスは、外国人労働者とクライアントの双方視点に注目し、翻訳を超える適切なプランニングを行なっております。何かお悩みや不明点がございましたら、お気軽にご相談くださいませ。

Written by 師岡 咲季

日本コンベンションサービス株式会社
インターナショナルコミュニケーション事業部翻訳・ドキュメントサービス部

※本稿に記載している情報は執筆時点のものです。
 

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