コラム

2018.08.08

外国人が喜ぶ「ネイティブな英語」に翻訳するコツとは?


前回のコラムでは「中国語の種類」にスポットを当てました。しかしながら、翻訳業界において圧倒的なニーズを占めているのは、やはり「英語」です。年々アジア言語への翻訳ニーズが高まりつつも、依然としてその存在感は変わりません。

日本語を英文に訳すとき、無料で使えるGoogle翻訳やWeblioといったオンラインの翻訳サービスを利用されるケースがあるかと思います。しかし、機械やアプリのAIが誤訳しても間違いに気づけなかったり、不自然な文章に仕上がってしまう問題がありますよね。そこで今回は、日英の翻訳をするにあたり、国際社会で評価されるために知っておくべきポイントやテクニックについてご紹介します。

グローバルに広がる世界英語人口は14億人

英語を母語とする人口はおよそ4憶人と言われています。世界人口を70億人とすると、思っていたよりも少ない印象を受けるかもしれませんね。ところが、観光やビジネス等で英語を使用している人口は、言語学者のデイヴィッド・クリスタル氏の推計によると、その数なんと約14億人。母国語として使っていない英語人口の方が圧倒的に多いのがわかります。日本でも数年前から一部の企業で「英語の公用化」の動きがみられ、2018年度からは小学校の英語教育改革も始まりました。今後、英語の存在感はますます増していくでしょう。

日本で使われる英語の主流は「アメリカ英語」

私たち日本人は「英語を使用している国は?」と聞かれると、真っ先にアメリカを想像する方が多いのではないでしょうか。なぜなら、長年の貿易相手という関係性や歴史的にアメリカの占領下にあったこともあり、日本で使用する英語は「アメリカ英語」を指すのが一般的になったからです。しかし、カナダやイギリスなど、英文の原稿を使用する地域がアメリカ以外の国となると、各地で使用される英語の特徴を把握しておく必要があります。

英語の特徴は、主に「5つの地域」で分類される

英語圏という言葉をよく耳にしますが、英語を使用している国は数え切れない程たくさんあります。この記事では、専門分野における論文の執筆や英文校正者の活躍が多くみられる国を代表し、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、シンガポールの5地域で使用される英語について簡単に解説していきます。

アメリカ英語

日本だけでなく、韓国や中国、南米の諸国で使われる英語といえばアメリカ英語です。アメリカを拠点とする各種メディアや、音楽や映画といったアメリカン・ポップカルチャーの影響は世界中で大きな影響を与えてきましたので、「一番普及している英語」はアメリカ英語と言われています。

イギリス英語

イギリスが「英語発祥の地」というのは有名ですよね。アメリカ英語とよく対比されるのもイギリス英語の特徴です。世界中に多くの英語話者が存在しているのも、20世紀中盤までにイギリスが多くの植民地を擁していたことが大きな要因になっています。アメリカ英語話者からすると、少々格調高い印象を受けてしまうのも特徴の1つです。

カナダ英語

アメリカ英語と語彙を共有しつつ、イギリス英語の用語も含んでいるのが、カナダ英語です。同じ単語でもアメリカ英語やイギリス英語とは異なる「独自のスペルを持つ用語」があるのも特徴と言えるでしょう。フランス統治下にあった歴史上の背景から、単語や文章の構成をみるとフランス語の影響を受けている要素が多く見受けられます。

オーストラリア英語

イギリス領だったことから、イギリス英語の表現がベースとなっています。単語には「アボリジニの言葉」に影響を受けているものも含まれます。アメリカ英語に慣れた人は少々聞き取ることが難しく感じることがありますので、よりネイティブレベルな翻訳や通訳が求められる英語と言えるでしょう。

シンガポール英語

シンガポールの国語はマレー語ですが、公用語は英語を含む中国語、マレー語、タミル語の4言語です。シンガポールで使われる英語は「Singlish(シングリッシュ)」と呼ばれたりもしています。用語の中には、中国語やマレー語で使用されている言葉が英語として定着した単語もありますので、ユニークな文化を持つ英語です。

英語翻訳はネイティブチェックが重要な役割をもつ

同じ「英語」でも、言葉を使っている国や歴史的な背景をみると、随分と違いがありましたね。
JCSが提供する翻訳サービスでは、5つの英語全てにおいて翻訳者が訳文を作成した後、ネイティブチェックとプルーフチェックの両方を行っています。文法上で誤りがないか、自然な表現になっているかをしっかりチェックします。ここで重要になるのが、ネイティブ担当者が「元の言語の文書を読まずにチェックする」ところにあります。元文書との照らし合わせを避けることで、翻訳した文章が“正しい意味を形成した読み物”として成立しているかを客観的に確認します。

当社では、お客様の使用用途や求めるレベルに合わせた高品質なネイティブチェックを提供していますので、もしご興味がありましたらお気軽にお声がけくださいませ。

編集後記

前項でご紹介してきた言語はすべて同じ「英語」です。自分の言語圏以外の英語でも大まかな内容は理解していただけると思いますが、やはり自分の慣れ親しんだ表現が使われると嬉しいものです。日本人でも、例えば大阪で関西弁を使う外国人がいたら現地の人は親近感が湧くと思います。よって、その地域に合った英語表現を使用することが、相手に対して敬意が伝わり、ホスピタリティーの側面でも大切な役割を果たしています。国際社会において、改めて言語が重要視される理由がわかりますね。

※本稿に記載している情報は執筆時点のものです。
 

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