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2018.06.08

第1回 地域マーケティング論「観光と人口減少問題」


日本コンベンションサービス株式会社(JCS)の寄附講座として東洋大学国際観光学部にて開講している『地域マーケティング論』の内容を12回にわたり連載します。50年の歴史を持ち、国際会議や医学会を運営するコンベンション業界のリーティングカンパニーであるJCSでは、その実績を活かし、地域活性化のためのマーケティングについて理論と実態の両面から解説し、拡大する観光産業の人材育成を支援することを目的として実施します。
本文は「見本市展示会通信」第779号に掲載されている内容です。

特別講義

今回は、観光庁より観光地域振興部観光地域振興課長の畠中秀人氏をゲスト講師として招聘し、国の立場から、観光の意義や現状、課題と今後の取組について解説いただきました。

観光の意義と課題

日本の人口減少・少子高齢化がますます深刻になっている時代にあって、観光は、雇用や企業の創出、社会基盤の開発を通じて社会経済の発展を牽引する重要な役割を果たしています。なかでも、定住人口の減少による消費縮小に対して、観光交流人口増大による経済効果には、大きな期待が寄せられています。一方で、我が国にとっての観光には、成長戦略の柱、地方創生の鍵の他に、国際社会での日本の地位向上や自らの文化や地域への誇りとしての意義があります。これらを踏まえ、観光立国の基本理念「住んでよし、訪れてよし」に基づき、“滞在交流型観光”の実現にむけて、観光地域づくりのコンセプトの明確化、観光地域づくりのマネジメント体制の確立が進められています。

改革を進める上での3つの視点

そして、これらのさまざまな改革は、次の3つの視点から整理されています。

第一の視点は、我が国の豊富で多様な観光資源の魅力を極め、国内外にその価値を伝えていくことが必要であるという視点です。これを受け、地域の潜在的な観光資源の発掘や古民家等の歴史的資源を活用した景観・街並みの形成に向けた改革が行われています。

第二の視点は、観光の力で地域の雇用を生み出し、国際競争力のある生産性の高い観光産業への変革が必要であるという点です。このため、長期滞在と消費拡大を同時に実現する新しい市場の開拓、世界水準DMO(Destination Management/Marketing Organization)の確立による地方都市の活性化を目指しています。

第三の視点は、旅行者の受け入れ環境整備を早急に進めるとともに、すべての旅行者が「旅の喜び」を実感できるような社会を築いていくことが必要であるという点です。この点から、全国どこへでも快適な旅行を実現するための「地方創生回廊」の完備やソフトインフラの改善によりストレスのない滞在を実現させるための改革が進められています。

まとめ

観光は、人口減少時代における地域活性化の鍵であり、その効果は経済面のみならず、自らの文化や地域への誇りを喚起するものです。だからこそ「住んでよし、訪れてよし」を実現するためには、「観光地づくり」ではなく、「観光地域づくり」の視点を意識することが必要となるのです。

本連載は、日本コンベンションサービス株式会社による東洋大学国際観光学部の寄附講座の内容を広報室秋山和子が編集しました。

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