コラム
2026.07.01
TICAD 9運営の舞台裏― 国際会議を「共創の場」として形にするJCSの真価
アフリカの開発をテーマとする「第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)」 。その運営全般を担った日本コンベンションサービス(JCS)は、首脳級33名が参加したアフリカ49か国に加え、共催者(※)、国際機関、民間企業、国会議員、市民団体等を迎えた多様な文化が交差する現場で、どのようにして「革新的な課題解決策の共創」をテーマに掲げる国際会議を滞りなく終えることができたのか。創立60年近い歴史と年間550件の会議・イベント運営実績に裏打ちされた、プロフェッショナルな運営ノウハウに迫ります 。
※国際連合(国連)、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)
プロフィール
-

中村 祥二(なかむら よしつぐ)
日本コンベンションサービス株式会社
コミュニケーションデザイン事業部 事業部長 兼 執行役員 -

中井 寛恵(なかい ひろえ)
日本コンベンションサービス株式会社
国際会議部
―JCSとして、TICAD 9という国際会議にどのような意義を感じ、どのような役割を担ったと考えますか?
中村
「TICADは、アフリカの開発支援を日本としてどのように進めていくかを議論する国際会議です。3年に1度、首脳級が集まる会合として開催され、その前年度には閣僚会合も行われます。
JCSは、首脳会合だけでなく、閣僚会合を含む一連の会議運営に携わり、継続的な枠組み全体を支える役割を担いました。
国際会議の運営を通じて、外交や経済協力、開発といった国の重要な政策を支援することに、私たちは高い誇りを持ち、その重要性に強く共感しています。それが社員のモチベーションや会社のアイデンティティにも繋がっています。TICAD9において私たちは、会議全体を俯瞰しながら運営に携わり、社交行事や各会談、配偶者プログラムからプレス対応、個別イベントまで、国際会議を支える立場として取り組みました。」
―多様な文化や価値観を持つ参加者が集まる国際会議を運営するうえで、特に意識していることは何ですか?
中井
「時間管理一つとっても、日本人とは異なる感覚を持つ方々が多く、文化の違いを改めて強く感じました。
また、各国の事情を踏まえた極めて繊細な配慮が求められましたが、徹底した管理を行った結果、参加者からは「非常に運営が行き届いている(well-organized)」という高い評価をいただくことができました。
TICAD 9は首脳級会合の中でも参加者数が多く、会場内外の動線設計や収容人数の管理、セキュリティとの両立が重要なポイントでした。そのため、前日まで現場を回りながら一つひとつ確認し、細やかな準備を重ねました。」
中村
「会議運営では、参加者が安心して議論に集中できる環境を整えることを前提に、外交成果につながる会議の質をいかに高めるかを重視しています。その一環として、日本らしい「おもてなし」を会議の体験価値として組み込んでいます。」
中井
「会期中は複数の会議が同時に進行するうえ、スケジュールは極めてタイトで、予定変更も頻繁に生じました。その都度大量の情報を整理し、必要な人に必要な情報を適切に共有することが課題でしたが、チーム全体で連携し、乗り越えることができました。」
―TICAD 9のテーマである「共創」を、運営の現場ではどのように意識し、形にしていったのでしょうか。コングレスバッグや扇子、蚊帳布巾といったアイテムがメディアでも取り上げられていましたね。
中村
「「コングレスバッグ」「扇子」「蚊帳布巾」は、TICADのテーマである「日本とアフリカのパートナーシップ」を踏まえ、その理念を具体的な形として表現することを意識して、私たちが提案した記念品です。
日本の文化や暮らしの中で培われてきたものづくりの考え方に、アフリカで親しまれている素材を掛け合わせることを大切にしました。
さらに、環境や社会への配慮も重視することで、TICAD 9が掲げる「日本とアフリカの共創」を体現するものとなり、結果として多くの参加者の方に好意的に受け止めていただけたのだと思います。」
―大規模な首脳級会合において、JCSとして特に力を発揮できたと感じる点はどのようなところでしたか?
中村
「私たちらしい力を特に発揮できたのは、首脳級会合という極めて高い要件が求められる場においても、状況を的確に判断し、安定した運営を実現できた点だと考えています。
その背景には創立以来、国際会議やイベント運営に携わり、年間約550件に及ぶ多様な会議やイベントを通じて培ってきた経験とノウハウがあります。
こうした実績を通じて、関係者それぞれの立場や条件を踏まえながら、会合の目的や意図をどのように形にしていくかまで考えることが、私たちが大切にしてきた姿勢の一つです。
企画・提案の段階から関係者と議論を重ね、単なる運営支援にとどまらず、ともに価値を形にしていくことが、私たちの中に自然と根付いています。」
―これからの国際会議運営において、JCSはどのような価値を提供していきたいと考えていますか。
中村
「私たちは、単なる会議運営にとどまらず、その先の価値を見据えた関わりを大切にしています。主催者、参加者、そして開催地(デスティネーション)にとっても良いという「三方良し」の考え方を作っていくのが、私たちの役割です 。
国際会議は、単なる一過性のイベントではなく、地域や社会の次の発展につながるきっかけになり得るものです。グローバルとローカルをつなぐ存在として、その可能性を実務の中で丁寧に形にしていきたいと考えています。」
国際会議・国際ビジネスイベントの開催をご検討中の方へ
JCSは、首脳級会合をはじめとする政府系会合や学協会主催の国際会議・イベントで培ってきた豊富な経験と、JCSグループ全体で提供する様々なサービスを活かした総合支援体制を構築しており、主催者の意図に寄り添った最適なソリューションを提供します。
国際会議・ビジネスイベントの開催をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
-
お問い合わせ
国際会議、学術集会、オンラインイベント等
メールフォーム