コラム

2019.08.28

「次回のオファーに繋げる!」通訳コーディネーター:鈴木の覚悟と秘訣


最前線の“現場”で働くJCS社員と、そのプロフェッショナリズムに迫る「ひと・フィーチャー企画」の第2弾。今回は通訳コーディネーターの鈴木元喜。当初は医学系学会をクライアントにもつメディカル事業部のディレクターとして学術集会の運営を担当し、そこで得られた“知見”を通訳のコーディネートに活かしている。その秘訣と彼のビジョンに迫ってみました。

仲介役は、お客様の「未来」を見ている

鈴木 通訳コーディネーターは、クライアントと通訳者を繋げる、言わば「橋渡し」の役割を担っています。通訳者が最高のパフォーマンスを発揮するには、双方の考え方や意見を仲介する私たちが上手くまとめ、お互いが納得できる内容にコーディネートする必要があります。クライアントと通訳者がWin-Winになって初めて「成功」と呼べますので、私たちの仕事はとても責任があると思います。

当初は、メディカル事業部で約6年間働いていましたが、主催者や参加者、開催地に派遣するスタッフなど、プロジェクトに関わる全ての人の視点に立って現場をまとめていました。皆さまの想いをクリエイトし、会を成功に導くことで、「次回もお願いしたい。」「また一緒に仕事にしたい。」といった声に繋げることができました。通訳コーディネーターになった今は、これまでの経験を業務に活かすだけでなく、高見を目指すモチベーションにもなっています。

私のゴールは、通訳のサービスクオリティに対し、お客様に喜んで頂くことで間違いありませんが、その先にある会議の成功や発展、そこに関わる人たちの「未来」を意識して、日々業務に取り組んでいます。

求められた通訳者の「人物イメージ」を見極める

鈴木 初めて通訳者を手配する、または検討しているお客様は「初回のヒアリングと要件抽出」が特に重要です。通訳は、通訳者という「人」が実務を遂行しますので、お客様が求めている通訳者の“像”は、どのような個性とスキルを持ち合わせた人物なのか?を、初回のヒアリング時にしっかり把握して、こちらから通訳者のプロフィールや経歴、実績などをご提案しています。

「想定していた通訳者を手配してもらえなかった…」という事態を避けるため、ここの要件抽出に時間を一番使っています。そして、通訳業務が終了した後のフォローアップも大切にしています。私がコーディネートした結果、満足いただいた点だけでなく、悪かった点、改善してほしい点などのご意見も細かく頂いています。その内容は、同僚の通訳コーディネーター全員と共有し、私たちの行動指針に活かしています。

そして、通訳を必要とする会議・イベントは継続的に実施されることが多いため、「同じ現場のノウハウや注意点」を把握している通訳コーディネーターは、2回目以降の同案件のサービスクオリティが確実に高くなるのも、特徴の1つです。

海外出張時に同行する通訳者

鈴木 あるお客様が海外出張に行かれた時のケースです。同行する通訳者を手配する際に、より高いパフォーマンスを出すにはどうしたら良いか?というご相談を頂いたことがあります。話を聞いてわかったのですが、「会議に通訳者は欠かせない存在であること」と「通訳サービスが会議成功の鍵を握っていること」の2点をお伺いしました。この話を受け、重要なミッションに私も関わらせて頂いているという責務感を強く感じ、この会議の成功に向けて責任を持ってサポートさせていただく運びとなりました。通訳サービスを再度オファーして頂けるよう、お客様の立場と同じ目線で向き合うことは重要なことだと思います。

私の場合、手帳と趣味が「成果向上のカギ」

鈴木 会議ディレクター時代はあまり使わなかった手帳ですが、通訳コーディネーターになってからはフル活用しています(笑)スケジュール管理だけでなく「お客様と接点を持つ時間をつくる」というのが目的です。絶対にやっておきたいのが、手帳の下部に特筆事項を記載し、暗記したらオレンジマーカーで塗りつぶすこと。そうすると、お客様とのやり取りで得た「大事なポイント」を見逃すことなく、確実にインプットできるんです。

休みの日は、ボードゲームカフェによく通っています。知人や見ず知らずの人とボード上で対戦するのですが、そこでは「相手が何を考えているか?」を考察し、「相手の行動パターン」を予測して戦略を立てて楽しんでいます。そんな対人関係の中で、通訳コーディネーターの仕事に活かせるヒントが見出せる場面があります。相手の立場に立つ。この当たり前の言動を、趣味の中で試行錯誤できるのは、自分の中で大きな武器になってると感じています。

社員プロフィール

日本コンベンションサービス株式会社
通訳部 チームマネージャー
鈴木 元喜

JCS入社時はメディカル事業部のディレクターとして業務を遂行。その後は通訳部に配属し、通訳コーディネーターとして現場の最前線に立つ一方、チームマネージャーとしてスタッフのマネジメントも行っている。

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