お知らせ

2023.04.21

都市のMICE誘致競争力強化に向けて、コンベンションビューローの育成支援を提供


観光庁では、国際的なMICE※1誘致や開催に積極的に取り組む都市のコンベンションビューロー※2を対象とした研修プログラムとして「令和4年度 コンベンションビューロー支援事業」を実施しました。JCSは、令和3年度に続き本事業を受託しています。令和4年度の支援対象として選ばれた3都市(新潟市、静岡市、岐阜市)に対して、半年以上にわたってさまざまな支援を行いました。

※1 MICE:企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体や学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字を使った造語で、これらのビジネスイベントの総称
※2 コンベンションビューロー:国内外から観光客や国際会議を始めとしたMICEを誘致することを目的として、自治体や民間企業が中心となって設立された組織のこと

国際競争力強化に向けた世界の動きと日本の取り組み

MICEの開催は新しいビジネスチャンスやイノベーションを創出する機会です。集客がもたらす経済効果や観光振興の側面も含めると、開催地域の活性化につながる多様な効果をもたらします。そのため、世界の各都市ではMICE誘致・開催に力を入れており、自都市への誘致を目指した熾烈な競争が国際MICE市場で繰り広げられています。

MICEの誘致・開催におけるコンベンションビューローの役割は大きく、主催者、国や自治体、業界関係者など地域と連携した取り組みが求められています。海外のコンベンションビューローでは、豊富なMICE誘致経験と知識を持つ専門職員が在籍するケースも見られます。
こうした背景のもと、観光庁では、世界における日本の都市の誘致競争力を高めるために、自治体やコンベンションビューローへのコンサルティングを提供するなど各地域の関係者との連携を強化しています。2018年度(平成30年度)から支援対象をグローバルMICE都市以外の地方都市にも広げ、各都市のコンベンションビューローの機能強化や日本のMICE誘致・開催件数の底上げを目的に、伴走型のトレーニング及びコンサルティングを実施しています。

コンベンションビューローの機能強化を目指した支援

本事業では、コンベンションビューローや自治体に加え、各地域でMICEに関わる方にも参加していただき、研修を実施しました。また、研修のほかにも、ユニークベニュー開発や国際会議誘致提案書作成のアドバイスなど、誘致業務に役立つ実践的なテーマのコンサルティングも行いました。

第1回キックオフ研修では、「国際MICE概論」と題して、地方都市における国際MICE振興の戦略、国際会議誘致の仕組みを取り上げました。各都市のコンベンションビューローからMICE誘致・開催の現状についての紹介が行われました。

講師陣が各都市を訪問して行った研修では、個人やグループでのワークを交え、都市の特色を表現したMICEブランドの考案やステークホルダーとの連携体制の構築など、多岐にわたるテーマを取り上げました。コンベンションビューローや自治体に加えて、ホテルや市内MICE関係者が参加したセッションもあり、参加者からは、「都市の魅力の視野が広がった」「各都市の目指すMICEの方向性について、お互いの考えを知ることができた」といった声が寄せられました。

また、最終回に行われたラップアップ研修では、「世界におけるポストコロナのMICEの動向と日本の都市が取るべき施策」をテーマに、米国を事例に観光の復興や観光協会モデルから世界水準のDMOへの移行について取り上げました。

  • セントラルフロリダ大学 ローゼン・ホスピタリティ経営学部テニュア付准教授 原 忠之 講師による講義 セントラルフロリダ大学 ローゼン・ホスピタリティ経営学部テニュア付准教授 原 忠之 講師による講義

日本のMICE誘致・開催力の向上を目指して

各都市のコンベンションビューローでは、MICEの戦略的な誘致・開催活動や開催地としての魅力の発信、他都市との差別化につながる観光コンテンツの開発が必要とされています。こうしたニーズに対し、JCSは50年以上にわたるMICE誘致・運営の経験をもとに、都市の強みを生かした機能の強化やMICE人材育成の教育・研修などの支援を行っております。

このカテゴリの記事

MORE