ポケットティッシュ問題


山で用をたした時に使用する「紙」が現在環境保護や美観の点から大きな問題になっています。たぶん、街頭で無料で配られるポケットティッシュを使用する方がほとんどでしょう。しかしトイレットペーパーに比べ丈夫にできているポケットティッシュは分解されずにそのままのかたちで山に残るため、場所によっては山の斜面がこのポケットティッシュで花が咲いたように見える所もでてきました。最近では池ノ岳のキャンプ場もこのようになっている恐れがあります。ここでは何気なく使っているポケットティッシュに注目していただきたいと思います。山の中ではこのポケットティッシュを使用しないで、普通のトイレットペーパーを使用した方が良いことがお分かりいただけたと思いますが、さらにできることなら、使用した「紙」は別に回収して持ち帰ることです。持ち帰るならばポケットティッシュを使用してもかまわないでしょう。ただし間違っても持ち帰った物を水洗トイレで流さないように。

99年1月7日の読売新聞の「水に溶けるティッシュ」の以下の記事が参考になります。

ティッシュペーパーは水洗トイレの紙詰まりの原因になるうえ、分解しにくいため山小屋などのくみ取り式トイレでも悪臭のもとになる。このため民間団体の日本トイレ協会(東京、西新橋)は今年から、PR用にポケットティッシュを配ることの多い金融機関などに、「水に溶けやすいタイプのティッシュを選んでほしい」と、協力の呼びかけを始める。ティッシュペーパーの多くは水にぬれても破れたりちきれたりしないように、湿潤力増強剤が混ぜられている。ところが、水洗トイレでティッシュをまとめて流すと、水に強いことが災いして配管の中で詰まる恐れがある。日本トイレ協会によると、トイレットペーパーが備え付けられていない公衆トイレではポケットティッシュを使う人が多く、紙詰まりの原因になることが多い。駅の公衆トイレでトイレットペーパーを備え付ける所が増えているのは、利用者へのサービスからだけでなく、紙詰まりを防ぐ狙いもあってのことだ。

山小屋などのくみ取り式トイレでは、ティッシュが汚物の量を増やすとともに、悪臭が続く原因にもなっている。トイレでティッシュペーパーの使用をやめるだけでも、問題解決の効果は大きい。このため、富士山表富士宮口登山組合(静岡県富士宮市)では昨夏、“水洗ティッシュ”などと呼ばれる水に溶けやすいポケットティッシュを登山者に配り、環境保全を訴えた。こうした経緯から、日本トイレ協会では今年、水洗式、くみ取り式を問わず、トイレでティッシュペーパーを使わないように広く呼びかけることに決めた。まず、小学生らを対象に全国で展開中の「トイレの出前教室」で子供たちに協力を呼びかける。

また、ポケットティッシュを配布する機会の多い金融機関などに水に溶けやすいティッシュベの切り替えを要請する。水に溶けやすいティッシュペーパーは一部の業者がすでに商品化しているが、「破れやすい」などの理由で大手メーカーは製造していない。日本トイレ協会事務局長の上幸雄さんは「水に溶けやすいティッシュを配布することは、環境にも配慮している会社の姿勢をPRすることにもなるはず」と話している。

関連して日本トイレ協会によりの次のようなイベントが行われましたことを報告しておきます。

「ポケットティッシュを考える会」
開催の目的
最近、外出時に使うティッシュをわざわざ買う人は少ないのではないでしょうか。全国の都市で広告付きのポケットティッシュが無料で配布されているためです。広告主は消費者金融会社が圧倒的に多くその他スポーツクラブ、居酒屋などさまざまです。ここでは、その宣伝・広告の内容を問題にしようとしているのではなく、そこで使われている水に溶けにくい(分解しにくい)ティッシュペーパーその物について取り上げます。

ポケットティッシュは溶けにくく作られているため、使うのに便利な反面、処理する時に不都合な面があります。公共トイレで使われてトイレのつまりの原因になったり、処理を困難にすることになります。また山や離島などし尿処理に制約の大きい場所では、処分する場合の大きな負担になります。そこで、ここではそうした負担を少なくするため、処理のしやすい溶けるペーパーに代えられないか、あるいはぺ一パーの分別処理をすすめられないかを討議していくものです。発言者には、環境庁、建設省、自治体、山小屋、山岳団体、ティッシュメーカー、それに広告主にも参加を呼びかける予定です。

「第2回ポケットティッシュを考える会」の開催案内

おかげさまで、今年4月に開催しました「第1回ポケットティッシュを考える会」以降、各新聞紙をはじめ多くのマスコミ等に取り上げて頂き、現在では各地域にて「溶けるタイプのポケットティッシュ」が使用され始めております。そこで、夏山シーズンを終えた10月13日(水)に各団体の溶けるペーパーへの転換の動き、ペーパー分別・持ち帰りと改善の動き等の報告をいただき、今後の展開に向けて、意見交換を行うことを目的として「第2回ポケットティッシュを考える会」以下のとおり開催致します。

1.主催 :日本トイレ協会
2.協力 :「山のトイレさわやか運動」
3.日時 :10月13日(水)13:30〜17:00
4.会場 :東京体育館 TEL03(5474)2111
    東京都渋谷区千駄ヶ谷1-17-1 (JR中央総武線   千駄ヶ谷駅)5.参加費 :2,000円(資料代)
7.交流会 :3,000円
8.協 賛:民間企業
9.プログラム:
13:30 開会
13:40 <第1部>山岳地でのペーパー分別・持ち帰りと改善の動き
  1.富士山での溶けるティッシュキャンペーン
  2.長野県山岳総合センターの活動
  3.富山県の山岳トイレ対策とペーパー問題
 4.南アルプスでの取組み
 5.長野高校100周年記念登山報告
15:00 6.ネパールへの公共トイレづくりの支援
15:00 <第2部>溶けるペーパーへの転換
 1.溶けるペーパー普及と山岳団体の役割と活動
大船武彦(日本山岳会自然保護委員)
  2.溶けるペーパーに変えた企業・団体
アイフル
  3.溶けるポケットティッシュが環境循環社会をつくる
15:40 信栄製紙
16:00 <第3部>(パネルディスカッション)
山の環境とペーパー処理を展望する
椎名宏子(東京都山岳連盟自然保護委員)
小室直義
岡谷旬恵(道栄紙業(株))
則久雅司(環境庁自然保護局国立公園課保護管理専門官)
17:00 閉会

平ヶ岳のトイレ問題を考えるに戻る
キャサリン・メイヤー女史の本「山でウンコをする方法」の詳しい説明へ行く
山のトイレと寄生虫(ランブル鞭毛虫)の問題を考えるへ行く


ホームへ